高齢者のためのスマートスピーカーの使い方

高齢者がスマートスピーカーに向かってあれこれ質問したりする姿はなかなか想像できません。
そうしたITリテラシーの高い後期高齢者は今のところいないのではないでしょうか。
ただし、「OK Google」や「アレクサ」などのウェイクワードを理解していないだけのような気がするので、いずれ技術の進歩で解決されるかもしれません。
それでもスマートスピーカーの使い途は十分にあります。
今日が何日、何曜日かも認識できなくなってしまった高齢者に、アレクサが1時間おきに繰り返し教えてあげるように設定することは比較的簡単です。
まずは、薬の飲み忘れ、デイサービスへ行く日の通知など、本人への気づきをスマートスピーカーがやさしくアナウンスで促してくれる。そんな設定から始めてみるのがよいのではないでしょか。
最初に設定するポイントは次のとおりです。
- 鳩時計代わりに日付、時刻をアナウンスする
- 薬の飲み忘れを注意喚起する
- センサーと連動して警報を鳴らす
一般的なスマートスピーカーの活用方法
- 日常の情報収集:
- 天気予報やニュース、時刻などを音声で簡単に取得できます。
- 「OK Google」や「アレクサ」などのウェイクワードを使って、質問や指示を伝えることができます。
- リマインダーとスケジュール管理:
- 食後の薬のリマインダーやデイサービスのお迎えの通知を設定できます。
- 毎朝、日付や予定を自動的に読み上げてくれる設定も可能です。
- 音楽やラジオの再生:
- スマートスピーカーで好きな音楽を再生したり、ラジオを聴いたりできます。
- ビデオ通話:
- Echo Showなどのスマートディスプレイを使えば、簡単なビデオ通話も可能です。
高齢者向けの定型アクションの事例
アレクサの定型アクションは、特定のトリガーに応じて自動的に実行されるアクションです。
例えば、特定の言葉を発話したときにライトを点灯させたり、天気予報を読み上げたりすることができます。
アレクサのスキルやルーチンを設定することで、さまざまなタスクをカスタマイズできます。
1時間毎にお知らせ
鳩時計のように時報代わりにスマートスピーカーが次の動作をします。スマートスピーカーのアマゾンエコーのアプリはアレクサ(alexa)です。
毎日8:00になるとアレクサは次の定型アクションを実行する
- 「〇〇さん、おはようございます。朝の目薬はつけましたか?」と言う
- 今日の日付を知らせる
- 現在の時刻を知らせる
- その日の話題を伝える
- 天気予報を読む
毎日15:00になるとアレクサは次の定型アクションを実行する
- 「〇〇さん、おやつの時間です。」と言う
- 今日の日付を知らせる
- 現在の時刻を知らせる
- ジョークを言う
センサーと連動して呼びかけや警告をアナウンス
玄関ドアに設置した開閉センサーと連動して、アレクサに呼びかけや警告をアナウンスして貰ってます。
毎日15:30から16:30の間にドアが閉じたとき次の定型アクションを実行し、その後1時間休止する
- 「〇〇さん、お帰りなさい。お待ちしてました。夕ご飯を食べて、お薬を飲んでくださいね。」と言う
毎日17:00から5:59の間にドアが開いたとき次の定型アクションを実行します
- 「〇〇さん、遅いから出かけてはいけません。戻ってください。△△さんへ電話してください。」と言う(3回繰り返す)
- 「ブザー」を再生する(3回繰り返す)
高齢者向けのおすすめスマートスピーカー
画面があるタイプ
ディスプレイ付きのスマートスピーカーは、音声操作に加えて視覚的な情報も提供できる便利なデバイスです。以下に特徴をいくつか紹介します。
- 視覚情報の表示:
- ディスプレイを備えたスマートスピーカーは、天気予報、ニュース、レシピ、カレンダーの予定などを画面上で表示できます。これにより、目で確認しながら情報を得ることができます。
- ビデオ通話と写真表示:
- ディスプレイを活用してビデオ通話を行ったり、家族の写真をスライドショーで表示したりできます。
- スマートホームコントロール:
- ディスプレイを使ってスマートホームデバイス(照明、エアコン、ロボット掃除機など)を直接操作できます。
- 視覚的なタイマーやアラーム:
- タイマーやアラームを設定する際に、画面上で設定内容を確認できます。
- Amazon Echo Show
- Alexaを搭載したディスプレイ付きスマートスピーカーで、ビデオ通話やレシピの表示などができます。
私が最初に導入したのはこのタイプでした。
WIFIカメラを設置する前で、ビデオ通信をカメラの代替として使っていました。
高齢者が応答してくれなくても、一方的にビデオ通信につなぐ「呼びかけ」機能があるからです。
WIFIカメラを設置した今は不要となりましたが、母と行った先で撮影した写真をスライドショーとして映し出して使っています。
- Google Nest Hub
- Googleアシスタントを搭載したスマートディスプレイで、YouTubeやGoogleフォトの閲覧ができます。
画面がないタイプ
- Amazon Echo Dot with clock (エコードットウィズクロック) 第5世代
- Alexaを搭載したコンパクトなスマートスピーカーで、音楽再生や家電操作ができます。
時計もない古いタイプのEchoを中古で導入して、玄関に設置しました。
リビングにはすでにEcho Showがあるのですが、夕方に徘徊の恐れがあり、ドアを開けたときに警告アナウンスをしてくれるEchoとして活躍しています。
- Google Nest Mini
- 「OK, Google」と話しかけるだけで天気やニュースなど、さまざまなことを気軽に調べられるGoogleのスマートスピーカーです。
- 音声認識機能が向上しており、パワフルで臨場感あふれるサウンドも楽しめます。
これは自宅で使っています。
寝床に入ってから部屋の電気を消したり、音楽を再生しながら作業をしたり、パスタの茹で時間のタイマーにしたりと何かと便利に使っています。
3Dプリンターでケースを作ったので、電源コンセントにぶら下がっています。

まとめ
最初はEcho Showを導入して「呼びかけ」という機能を使って、ビデオ通話をWIFIカメラ代わりにしていました。
その後、アレクサの「定型アクション」機能で、アレクサに日付や時刻を通知して貰ったり、薬の飲み忘れ、デイサービスへ行く日の通知をして貰ったりしています。
アレクサへの反応を確認する「アクティビティの履歴」があるのですが、記録がないところを見ると私の母は聞いているだけですね。
それでも一緒にいるときには、アレクサに挨拶を返しているので、効果はそれなりにあるかもしれません。
ジョークを言ったり、歌を歌ったりしているときもあるので、一人暮らしの餌のいらないペット的な存在になっているといいなと思っています。
ということで、高齢者のためのスマートスピーカーの使い方のポイントは、アレクサなら「定型アクション」、グーグルなら「ルーティン」を設定して、
- 鳩時計代わりに日付、時刻をアナウンスする
- 薬の飲み忘れを注意喚起する
- センサーと連動して警報を鳴らす
といったところでしょうか。