認知症って治らないの?
北海道から戻った私はいよいよ認知症について調べてみました。
母の場合は脳梗塞が遠因として考えられるため、なんとか元のように治らないかと希望的観測を持っていたからです。
妹に物忘れ外来に連れて行って貰い、脳のMR検査の紹介状を書いて貰ったりもしたが、調べれば調べるほど、現時点では認知症は元には戻らない病気であり、現状維持が精一杯の治療とのことでした。
そうなれば、あきらめて対策を講じざるを得ません。
在宅で介護を決意
何から対策すべきか。一人暮らしはできるのか。
施設に入れた方がいいのか。
悩みましたが、妹と一致した答えは、できる限り現在の環境を変えずに見守りしようということでした。
それは、母の母、我々にとっての祖母が、施設に入れた途端に一挙に認知症が進んだ様子を見ていたからです。
火の元の対策が一番
対策はどこから手をつけたらいいのか。
まずは、火の元が心配です。ガスレンジのつけっ放しで火事でも起こされたら取り返しがつきません。
IHコンロに変えるのが安心ですが、ペースメーカーに影響がないかが気になりました。
それに、使い勝手が大きく変わって使わなくなってしまっては、安全ではあるけれど買い換えた意味がありません。
そこで今のガスコンロと使い勝手ができるだけ同じで、安全機能が万全なものを探すことにしました。
ガスコンロの消し忘れ対策
火の消し忘れ、 空焚き、焦げ付き、地震対策など、今のガスコンロには廉価版でも一通りの機能が付いています。
国の基準でSIセンサーが義務付けられているようで、油の異常加熱による発火防止、立ち消え時のガス停止、消し忘れのためのタイマー消火が可能のようでした。
タイマーの設定時間などは後から最短時間に設定し直しました。
魚焼きやプレートなどもついてきたけれど、母には使えないものばかりでした。
新しい機能を覚えるのは無理だけれど、以前と同じように着火スイッチを押して、火力をスライドして調整することはできます。
狙い通りなのだけれど、基本機能しか使っていないのはもったいない気がしてしまいます。
母の家に買い替えたガスコンロはこれです。
やっててよかった、そして大切なこと
後日、親戚からいただいた電気ポットをガスコンロに掛けてしまうという事件が発生しました。

電気ポットのプラスチックは無残に溶け落ちてコンロにこびりついていました。
自動消火されたようでしたが、センサーが働く前にプラスチックが溶け出してしまったのは仕方がありませんでした。
熱センサーだから当然でしょう。
冷えて固まったプラスチックを取り除くと、コンロは復活しました。
母に新しい機器の操作を覚えて貰うのは難しいです。
きっとヤカンと同じ感覚でコンロに掛けてしまったのだと思います。
これまでと同じ操作で「無意識に操作できること」、そして、「誤って操作されても大丈夫な安全対策を講じること」が改めて大切だと感じました。